関門橋と関門トンネルは、本州と九州を結ぶ二つの重要路線だ。 一見すると十分に見えるが、実際には三つの弱点を抱えている。 第一に、関門トンネルは海底ゆえに老朽化が激しく、十年ごとの大規模補修が避けられない。第二に、橋は強風や大雨でたびたび通行止めとなり、代替になり切れない。第三に、トンネルは片側一車線で、事故や車両制限があると一気に機能が止まる。危険物車両は通れず、橋が止まれば待機を強いられる。 実際、昨夏の大雨では関門橋が長時間止まり、下関駅まで通常三十六分のはずが百九十一分もかかった。橋とトンネルのどちらかが止まれば、もう一方も渋滞する現実が露わになったのだ。 そこで動き出したのが第三のルート、下関北九州道路である。災害時の備えと交通分散、その両方を担う新たな一手として、計画は前進し始めている。