北海道と本州は、地図で見ると驚くほど近い。最短でも約17.5キロしかなく、「橋なら作れそうだ」と思うのは自然だろう。だが、実際には橋は選ばれなかった。理由は単純な技術不足ではなく、費用、維持、気象、そして国際海峡としての制約が重くのしかかっていたからだ。 海の上に巨大橋を架ければ、建設費は天文学的に膨らみ、完成までの時間も長期化する。さらに津軽海峡は強風、吹雪、濃霧が激しく、通行止めが頻発しやすい。船舶の自由な航行を妨げない設計も必要で、橋脚や高さの条件は極めて厳しかった。 その結果、橋ではなく青函トンネルが選ばれた。こちらも決して容易ではなく、長大な工事と多くの犠牲を伴った国家事業だった。つまり、北海道と本州を結ばないのではない。結べなかったのではなく、最も現実的な答えがトンネルだったのである。