アメリカ中部の広大なエリアに誰も住んでいない理由
2026/11/02
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アメリカ大陸のほぼ中央、北のカナダから南のメキシコへと縦断する広大な空白地帯が存在します。日本が2つもすっぽり入る約80万平方キロメートルのエリアでありながら、北海道の人口をも下回る約310万人しか暮らしていないこの場所は、なぜ長年「誰も住んでいないエリア」として残されてきたのでしょうか。その歴史的背景には、幾重もの地理的・歴史的要因が絡み合っています。西のロッキー山脈が湿った風を遮ることで雨が極端に少なくなる「雨陰現象」や、19世紀の開拓期における先住民との衝突、そして何より1930年代にこの地を襲った大干ばつ「ダストボウル」による甚大な被害が挙げられます。かつて土地を覆っていた草の根が失われ、巨大な砂嵐によって数百万人が故郷を追われた悲劇的な記憶が、この大地に刻まれています。現在では地下の巨大な水資源や高度な農業技術により、世界有数の穀倉地帯へと変貌を遂げたものの、機械化による労働者の減少や、竜巻が多発する過酷な気候条件から人口の流出に歯止めがかかっていません。牛の飼育や石油採掘、風力発電といった「人が少なくても富を生み出せる産業」が中心のこの帯は、アメリカの食とエネルギーを静かに支え続ける、不可欠な空白の歴史を物語っています。

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