ラーメン二郎の厨房に入ると、まず待ち構えているのは山盛りのにんにく。「これ、全部剥いておいて」とのんきに言われ、俺は目を疑った。普通に剥いてたら日が暮れる。そこで先輩が教えてくれたのが“シェイク法”。根っこの部分を切り落としてボウルに入れ、ただひたすら振るだけ。右、左、縦横無尽にダンスのように振りまくる。1分もすれば皮がほら、するっと簡単に剥けるんだ。それでも足りない時は電子レンジの裏技。軽くチンするだけで、にんにくがスポッと飛び出す。魔法みたいだ。それぞれの切り方も、実は香りや食感に関係している。叩けばのどを刺すような香り、みじん切りなら深みを加え、薄切りだと絶妙な食感を演出できる。そしてラーメンに乗せれば、もうにんにくなしでは語れない一杯が完成する。