年を重ねると、仏壇の前でふと口にしてしまう言葉が、思いのほか危険になることがあります。返事をしてくれる相手がいないからこそ、胸の奥にしまっていた本音がこぼれやすいのです。線香の香りが残る静かな空間では、つい心が緩みます。第五位は「みんな忙しいみたい」。その一言を繰り返すうちに、自分自身がそう思い込み、誰かを誘う気力まで失ってしまいます。第四位は「あの子は何もしてくれなくて」。独り言のつもりでも、やがて家族の耳に入り、関係が冷えてしまうこともあります。第三位の「ここも私で終わりだね」は、子どもに何もできない無力感を残し、会話を途切れさせます。第二位の「どうして、あの時」は、過去へ心を引き戻し、今を消してしまう言葉です。そして第一位は「私が買われればよかった」。最も深く、仏壇の前を責める場所に変えてしまう一言です。言いたくなる日があっても、また向き合えばいいのです。