夫婦仲が良い家をのぞくと、妻が何でも引き受けているとは限らない。むしろ、上手に「しない」ことで関係を守っている。たとえば、夫を誰かと比べない。昇進や収入の話に、すぐ「それに比べて」と続ければ、家は安らぎの場ではなくなる。さらに、弱って帰ってきた夫に正論をぶつけず、「そりゃ疲れるわ」と受け止める。それだけで、心は少し落ち着く。相談された時も、最後の決断まで奪わない。意見は言っても、選ぶのは夫だ。何でも先回りしてやり過ぎれば、感謝は薄れ、頼る気持ちも消えていく。機嫌の悪さまで妻が背負う必要はないし、自分の予定を手放してまで夫中心に生きる必要もない。本当に良い妻とは、支配しない人だ。夫婦は、寄り添いながらも互いに自分でいられる。その距離感こそ、円満の真実なのだ。