1979年の元日午前0時、全国の民放で、まったく同じCMが一斉に流れた。新年の静けさを切り裂くように鳴り響いたのは、あるロックバンドの新曲だった。画面に映し出されたその一曲は、ただの広告音楽ではなく、時代を動かす予感をまとっていた。前年、そのバンドはすでに中野サンプラザ3日間の公演を、わずか2時間で完売させるほどの人気を誇っていた。だが、どれほど熱狂を集めても、シングル1位の座だけは一度も手にしていなかった。そんな彼らに、時計メーカーから新年CMソングの依頼が舞い込む。ボーカルは、「来るべき瞬間が来た」と直感した。そして今度こそ、きちんとナンバーワンを取りに行くべきだと決意する。メロディもアレンジも、すでに頭の中にあった。曲は書き下ろされ、レコーディングはわずか3時間で終了した。