デビューからわずか1年。あのバンドは、崖っぷちに立たされていた。最初のアルバムは売れず、ライブを開いても客はたった一人。しかも、その一人すら途中で帰ってしまう。メンバーの間には「このままではクビだ」という不安が広がり、空気は重く沈んでいた。追い打ちをかけるように、曲作りを担っていた初代リーダーが脱退する。普通なら、そこで終わりだったかもしれない。だが残されたキーボード担当が中心となり、方向性を大胆に転換した。激しい音を前面に出していたサウンドは、神聖さを帯びたポップへと変化し、ボーカルの声と動きが強く際立つ楽曲へ。そうして生まれた一曲は、時代の空気を見事に捉えた。