38歳で早期退職したときの私には明確な目標がありました。それは、自然の中で新しい生活を始めること。都会の喧騒に疲れ切った心は、山菜採りという静かな営みの中に救いを求めていました。ただ、その夢を実現するには一つの挑戦が必要でした。それは、山の所有者である田中さんというおじいさんに、「山に入らせて欲しい」とお願いすることです。年5万円で山菜採りを許可してもらえないか、という口約束をお願いしに行きました。田中さんは少し困った顔をしてから、「まぁいいだろう。ただし、山を荒らすなよ」と一言。こうして私は山で山菜採りを始めることになったのです。