兄の部屋を掃除していたその日、私の人生は大きく揺さぶられる出来事に出会った。兄が急な転勤で家を出た後、整理整頓が苦手だった彼の部屋を片付けるのは私の役目になった。埃を払っている最中、机の引き出しの奥から一枚の紙切れが出てきた。気に留めず広げてみると、そこには兄が綴った手紙があった。そこには、兄が私への感謝や愛情を深く綴る言葉が並んでいた。「いつも支えてくれてありがとう」「自分が弱音を吐けるのは君がいるから」といった言葉は、私がこれまで気付いていなかった彼の本心そのものだった。兄は不器用で感情を口にすることの少ない人だったため、この手紙はまるで心の奥底を初めて覗いたような気持ちにさせられた。