小学3年生の頃、僕のクラスには補聴器をつけている女の子がいた。初めて彼女を見た瞬間、なぜか強く心を惹かれた。でも、当時の僕には彼女とどう話せばいいのか分からなかった。そこで家に帰ると母に「手話を教えてほしい」と頼み、彼女と会話するための勉強を始めた。毎日少しずつ練習を重ね、初めて手話で話しかけた日のことは今でも忘れられない。彼女は驚いた表情を見せた後、嬉しそうに笑ってくれた。それから僕たちは毎日話すようになり、彼女は新しい手話をたくさん教えてくれた。一緒に歌を楽しみ、かけがえのない時間を過ごした。小学校の卒業式の日、僕は勇気を出して気持ちを伝えた。彼女も同じ想いを抱いてくれていた。当時は恋人という言葉の意味もよく分からなかったが、お互いを大切に思う気持ちだけで十分だった。