どんぐりの道をたどっても、たどり着けない――そう噂される氷の小さなレストラン。だが、忘れ物をした者だけが、不思議なポケットの奥から真っすぐ導かれるという。ランチ時、店内は香ばしい匂いで満ち、席という席が埋まっていた。窓辺では小鳥が羽を鳴らし、客たちは皿の到着を待ちきれず、思わず喉を鳴らす。やがて運ばれてきたのは、名物「ふわふわの3段オムライス」。黄金色の卵が三層に重なり、真っ赤なソースが流れた瞬間、静かな店内に小さなどよめきが広がった。スプーンを入れれば、湯気とともに幸せな香りが立ちのぼる。まさに、迷ってでも出会いたい一皿だった。