一つ目はフラッシュメモリー。1984年、東芝の技術者・舛岡富士雄氏が発明した。電源を切ってもデータが消えないこの技術は、USBメモリーやSDカード、SSDの基盤となった。しかし当時、東芝は事業化に慎重で、海外企業が市場を広げていく。発明者は後に東芝を去り、対価を求めた裁判は和解に至った。二つ目は有機EL。ソニーは2007年、世界初の有機ELテレビを発売し、技術面で先行していた。だが量産コストの壁を越えられず、2010年に撤退。その間に韓国のLGやサムスンが量産体制を築き、市場を握った。三つ目はリチウムイオン電池。ソニーが1991年に世界初の商用化を果たし、吉野彰氏は2019年にノーベル化学賞を受賞した。しかしEV時代の主役は中国CATLや韓国LGとなり、日本の存在感は薄れている。技術を生むだけでなく、育てる力こそ問われている。