笠佐島へ渡った山本貴子は、草に埋もれた道を進みながら、島の異変を確かめていた。空き家が並ぶ集落の先、新しく立てられた電柱は、買収されたとされる土地へ続いている。白い石で区切られた海辺、重機の跡、高圧線――その光景は単なる別荘計画には見えなかった。岩国基地に近く、船舶も行き交うこの島は、安全保障上も無視できない場所である。山本は、周辺地の取得や整備、クラウドファンディングによる再生を語り、行政の沈黙に疑問を投げかける。美しい海を前に、彼女は静かに誓った。「この島を守ることは、日本を守ることでもある」と。