奈央子は、事故で車椅子生活になった夫・ひろあきのため、15年間休むことなく働き、家事や介護、病院への送迎まで一人で背負ってきた。夫から「いつもありがとう、感謝してる」と言われるたび、苦労も報われると信じていた。しかし、ある日、病院帰りのひろあきから落ちた診察券を見た瞬間、奈央子の人生は大きく変わる。そこに記されていた病院は、すでに存在しない場所だった。さらに街中で、車椅子のはずのひろあきが女性と歩いている姿を目撃したことから、長年の疑念が確信へ変わっていく。調べを進めると、ひろあきは15年前の事故で重傷を負ったわけではなく、歩けないふりを続けて周囲の同情を集めていたことが判明する。奈央子や両親からの支援を受けながら、裏では別の女性とも関係を持っていたのだ。真実を知った奈央子は、これまで犠牲にしてきた15年間を思い、ついに夫との決別を決意する。長年の嘘を暴かれたひろあきは、すべてを失い、自分の行いの重さを思い知ることになる。