雨が激しく降る東京の夜。高級ホテルの華やかな宴会場に、一人の薄汚れた老人が迷い込んだ。名前は桐生一、70歳。色あせたジャンパーをまとい、雨宿りのために立ち寄っただけだった。しかし、そこにいた人々は彼の姿を見るなり、冷たい視線を向けた。警備員に追い払われ、床に倒された桐生。大切に持っていた一枚の写真まで踏みにじられる。その写真に写っていたのは、かつて彼を支え続けた亡き妻の姿だった。そんな中、ただ一人、若い女性スタッフの青井だけが彼に手を差し伸べた。彼女の優しさは、長い間閉ざしていた桐生の心をわずかに揺らした。だが、その直後、ホテルの御曹司・神崎大河が現れる。金と権力を誇示する彼は、桐生を嘲笑し、赤ワインを頭から浴びせた。そして胸元から白紙の小切手を取り出し、そこに「1億円」と書き込む。