結婚式で耳にした“その一言”…私は一生忘れません。六十六歳のケイコにとって、一人息子・達也の結婚式は人生で最も誇らしい日になるはずでした。白いチャペル、幸せそうな新郎新婦。けれど披露宴が始まると、美咲の親族から料理や席次への不満が漏れ始めます。そして友人スピーチ直前、叔母の声が入ったままのマイクから響きました。「やっぱり新郎側に任せると段取りが甘いのよ」。会場が凍りつく中、達也は静かに立ち上がります。「準備は僕たち二人で決めました。誰かを下げる言い方はやめてください」帰り際、美咲は涙を浮かべてケイコに頭を下げました。「お母さん、ありがとうございました」。その一言を、ケイコは一生忘れません。