佐藤拓海さんは、1歳になる息子の優くんの異変に気づいたのは、いつもの朝でした。防犯カメラの映像を確認すると、優くんは毎日のように和室の隅に立ち、ただ壁だけを見つめ続けていたのです。最初は幼い子供によくある行動だと思っていた拓海さんでしたが、何日経っても同じ場所から離れない息子の姿に、不安を募らせていきました。病院にも相談しましたが、医師からは「子供が自分を落ち着かせるための行動かもしれない」と説明されました。しかし、ある深夜、状況は一変します。優くんが壁の前で小さな声で何かを呟いていることに気づいた拓海さん。録音を確認すると、そこには幼い子供とは思えないほどはっきりした言葉が残されていました。「もう来ないで……」さらに優くんは、震える声で「あの女……」と呟いたのです。拓海さんは過去を調べ始め、以前雇っていたベビーシッター・森ふゆみの存在を思い出します。彼女がいた時期、優くんは毎晩泣き続け、壁の隅を恐れるような行動を見せていました。なぜ1歳の子供が、誰にも教えられていない恐怖を覚えているのか。拓海さんは息子を守るため、隠されていた過去と向き合う決意を固めます。小さな子供が見つめ続けていた一面の壁。その向こうに隠されていた真実とは、一体何だったのでしょうか。