「ここなら、もう一人で不安な夜を過ごさなくていい」――そう信じて、私はサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)への入居を決めました。私の名前は澄子、78歳です。夫を亡くしてから5年間、住み慣れた家で一人暮らしを続けてきました。しかし、膝の痛みや体力の衰えを感じるようになり、将来への不安が少しずつ大きくなっていきました。そんな時、息子夫婦が持ってきた一枚のパンフレットには、明るいラウンジ、趣味の交流、24時間スタッフ常駐という安心できる未来が描かれていました。私は「ここなら穏やかに暮らせる」と期待を胸に入居を決めたのです。しかし、実際の生活は想像とは違っていました。最初に感じたのは、見学時の華やかな雰囲気と、普段の暮らしとの大きな差でした。イベントの日に合わせた見学では見えなかった日常の姿。自立した高齢者が交流する場所だと思っていた空間には、介護を必要とする方も多くいました。