工藤公康の持っていた超チート級の必殺技は、長いプロ野球人生で多くの打者を苦しめた伝説そのものだった。第一の武器は、鋭く曲がるカーブである。現役時代、一度見た打者が「カーブだと思って振ろうとした瞬間には消えていた」と語るほど、その変化は圧倒的だった。高校時代からカーブだけで三振を奪えるほどの威力を誇っていた。第二の必殺技は、勝負強さである。2004年8月、通算200勝を目前に迎えた試合では苦しい展開の中、自ら逆転ホームランを放ち、大記録を自分のバットで引き寄せた。投手とは思えない打撃力も工藤の魅力だった。