67歳の草刈裕也は、現役時代に年収400万円ほどを得ながら、中小企業の工場で機械オペレーターとして定年まで働いてきた。退職金もあり、「老後は何とかなる」と信じていた。しかし、届いた年金通知の金額は月14万円。平均的と言われる額だったが、家賃や生活費を払えば貯金は少しずつ減っていった。そんな不安を抱えていたある日、妹の千春から両親の33回忌の相談を受ける。久しぶりに兄弟全員が集まった席で、裕也は初めて互いの年金生活の現実を知ることになる。兄の茂は現役時代の年収が約200万円で、現在の年金はわずか月6万円。しかし、家賃2万5千円の古いアパートに住み、固定費を徹底的に抑えることで、自分らしい生活を続けていた。一方、元看護師の千春は年収600万円、持ち家と月18万円の年金があるものの、固定資産税や修繕費に悩んでいた。