高校二年生だったてんてんさんは、四日後に迫った大会へ向け、平行棒の新技「二回宙返り降り」に挑んでいた。体操にすべてを懸けていた少年にとって、その日は夢へ近づく大切な一日だった。一度目は成功。しかし二度目、飛び出す直前にわずかにバランスを崩す。それでも彼は迷いながらも技を続けた。次の瞬間、回転は足りず、約二メートルの高さから頭から体育館の床へ落下。頸椎を損傷し、首から下が麻痺した。事故から二十年。彼は初めてその瞬間の映像を公開する。先生を責めるためではない。人生が一瞬で変わっても、妻や子どもと共に生き、もう一度鉄棒で大車輪を回る夢へ進むためだった。