仙台市に暮らす鈴木美穂さん(37)は、かつてピアノが大好きで、営業職として活躍していました。しかし、5年前、32歳の時に職場で突然倒れた彼女の人生は大きく変わります。脳梗塞による左脳の損傷が原因で、右半身が麻痺し、さらに「失語症」を発症。言葉で自分の思いを表現することが難しくなったのです。発症当初、美穂さんは自分の名前すら言えず、その状況に深く落胆しました。お気に入りのピアノの鍵盤を右手で押そうとしても思うように動かない現実には、大きな無力感が伴いました。「なぜ私がこんな目に」と泣く夜もありました。しかし、そんな彼女は諦めませんでした。今では月に一度のリハビリに通い続け、新たな仕事にも挑戦しています。さらに、同じ失語症の若者を支えるため、自ら交流会も立ち上げました。「一歩踏み出すことで関係が広がる。失語症をもっと知ってほしい」。鈴木さんのその願いと歩みは、多くの人々に勇気を与え続けています。