元タクシー運転手だったAさんは、生計を立てるためハンドルを握り、誠実に働いてきた。しかし、突然襲いかかった重病により辞職を余儀なくされ、収入を失った彼には、生きる術として生活保護を申請する選択肢しか残されていなかった。それにもかかわらず、地元行政は生活保護削減を暗黙の目標とし、彼の病状を無視し、労働が可能であると強制的に判断。保護が打ち切られたその日から、Aさんは食糧を失い、飢えと病魔に侵される日々が続いた。日記にはただ「おにぎりが一口食べたい」と記された。やがて彼の体は衰え、誰にも知られぬまま34キロという痩せ細った姿で息を引き取った。彼が最後に望んだ願いは、ただ一口の食事だった。しかし、行政はその後も無責任な説明を繰り返し、無情な現実を露呈した。この事件は、命より数字を優先する社会の冷酷さを浮き彫りにし、次に犠牲となる者への警鐘を鳴らし続けている。