交際三周年の記念旅行で、私は来年結婚を約束していた恋人へ妊娠検査薬の陽性結果をサプライズで伝えた。彼は笑顔で喜んでくれたが、その翌朝、目を覚ますと彼の姿はなく、スマートフォンには「ごめん。パニックになった」という短いメッセージだけが残されていた。電話は一切つながらず、宿泊費や帰りの航空券の支払いも彼任せだった私は、手元の現金だけでは到底足りず、絶望の中で涙を流した。そんな私を救ってくれたのは、北海道の山奥にあるペンションのオーナー夫妻だった。事情を聞いた二人は宿泊費を大幅に配慮してくれただけでなく、息子が吹雪の中を二時間かけて空港まで送ってくれた。「また来年も来てください」。その温かな言葉は、傷ついた私の心を静かに支えてくれた。