フィリピンの嫁の実家を訪ねたとき、そこには予想もしなかった光景が広がっていました。私は田舎で農業を営んできたため、息子は小さい頃から農作業を手伝い、人里離れた生活に慣れていました。しかし彼が結婚相手を見つけられるのか気がかりでした。そんな中、突然息子はフィリピン人の女性を連れてきて「結婚したい」と言いました。言葉の壁もあり不安が募る日々でしたが、彼女は翌週から何も言わずに長靴を履いて田んぼに立つ姿を見せてくれたのです。その後、彼らは結婚し地域の方々からも「気が利く嫁」と評判でした。先日、嫁が故郷に帰りたいと願い、一緒に訪れたのはマニラからバスで5時間の山間の村。そこは去年の台風で家が半壊し、ブルーシートで覆ったままの状態でした。しかし嫁の母親はその惨状に触れることなく、「娘の顔色が良くて安心だ」と微笑む姿が、私の母と重なりました。その後、現地の業者を手配しコンクリートの家を建設。2月後に届いた写真には、新築の家の前で手を合わせる義理の家族の姿。「お父さん、本当にありがとう。もう台風の夜が怖くない」と語る義母の言葉に胸が熱くなりました。嫁は「あなたが私の家族を守ってくれたから」と感謝を決して忘れません。家族に国籍は関係ない。大切なのは互いのために動けるかどうか。それが真の家族の絆ではないでしょうか。