100年前の中国、動乱の時代。その華やかな歴史の裏に、一人の美女の歪んだ愛が秘められていた。その名は、王敏彤(おうびんとう)。中国新王朝の王女と言えば、古来より「美女が多い」と言われてきたが、その中でも彼女の美貌は特筆に値するものだった。高貴な家系に生まれた彼女は、小顔で透き通るように白い肌を持ち、一族の長老たちすらその美貌に息を呑んだという。幼少期から両親は彼女に「お前は高貴な人物と結婚する運命だ」と教え込んだ。彼女自身もその言葉を胸に秘め、中国で最も高貴な人物、すなわち最後の皇帝・溥儀(ふぎ)に憧れるようになる。しかし、すでに正妻の婉容(えいよう)と側室の文繍(ぶんしゅう)がいた溥儀には、彼女を妻として迎える意思などなかった。