四十三歳の私は、田舎で米農家を営む一人の父親です。しかし農閑期に入り収入が減り、家族を支えるため新しい仕事を探していました。そんな時、地元スーパーの掲示板で見つけたのが「造園管理スタッフ急募、日当一万二千円」という求人でした。迷うことなく連絡し、翌朝六時半に現場へ向かいました。 現場監督に「お子さんはいるのか」と聞かれ、「来月、三人目が生まれるんです」と答えると、「それなら頑張らないとな」と励まされました。軽トラックで連れて行かれた場所は、山の中にある立派な別荘。私は三日間、朝から日が暮れるまで、庭の草刈りに黙々と取り組みました。 作業最終日、監督から「少し待ってくれ」と呼び止められました。オーナーから預かった封筒を渡された瞬間、不安が胸をよぎりました。何か失敗したのかと思いながら開けると、中には六万円が入っていました。