東京から名古屋へ向かう新幹線の車内で、私は予約していた通路側の指定席に座った。研修へ向かう大切な移動で、事前に選んだこの席には理由があった。すると隣の女性が突然、「夫と席を替わってもらえませんか?この子が知らない人と同じ列で怖がっているんです」と声をかけてきた。女性の息子は窓側、夫は車両後方の席だった。「申し訳ありませんが、この席が必要なんです」と断ると、女性は「子どもなら両親と座りたいに決まっているでしょう」と声を強めた。周囲の乗客まで口を挟み、まるで私が冷たい人間であるかのような空気になった。しかし、私は簡単には譲れなかった。実は私は潰瘍性大腸炎を患っており、急にトイレへ行かなければならないことがある。そのため、新幹線では必ず通路側を選んでいたのだ。新横浜を過ぎた頃、私は席を立ってトイレへ向かった。戻った私を見た女性が「具合が悪いんですか?」と尋ねたため、初めて病気のことを伝えた。