60代を過ぎてから、夜中に何度も目が覚める。寝つきが悪い。眠りが浅く、病院でもらった睡眠薬を飲んでも、根本的には変わらない――そんな悩みを抱える人は少なくありません。ですが、それは必ずしも病気ではありません。高齢になると、睡眠そのものが自然に変化していくのです。若い頃のように八時間ぐっすり眠れないのは、むしろ当たり前。三十代や四十代までは、疲れればすぐ眠れたのに、今は夜中のトイレや明け方の覚醒で不安になる。その違和感こそ、体が年齢に合わせて正しく変化している証拠です。赤ちゃんが何度も寝たり起きたりするように、人間の睡眠も本来は揺らぎを持っています。大切なのは薬に頼り続けることではなく、朝日を浴びて体内時計を整えること。朝のオレンジ色の光を浴びると、約17時間後にメラトニンが分泌され、自然な眠気が訪れます。起床後に窓を開ける、散歩に出る――その習慣だけで、夜の眠りは変わります。