春の山は、花が咲き誇り、鳥のさえずりが心を癒してくれる。この日も私はひとりで山へと向かった。途中で急に天候が悪化し、霧が濃くなるとともに強い雨が降り出した。下山を急ぐ中で、一人震えている女性に出会った。彼女は道に迷い、雨でずぶ濡れになっており、泣きそうな表情だった。「助けてください」と訴える彼女をテントに招き入れ、彼女の濡れた服を乾かすために着替えを貸した。夜になると、山の寒さが彼女を襲い、1つしか持っていない寝袋に2人で入ることに。狭い空間に体を寄せ合いながら、彼女の温もりと優しい話し声は不思議と安心感を与えてくれた。翌朝、雲間から差し込む光が作り出した壮大な景色を眺めながら、「出会えてよかった」という言葉が自然と浮かぶ。そして彼女との縁は、この山での偶然の出会いをきっかけに、より深いものになっていくのであった。