2026年10月20日夕刻、皇居御所の車寄せに一台の車が静かに到着した。降り立ったタイのスティダー王妃は、待っていた両陛下に向かって、初対面とは思えぬ満面の笑みで挨拶をされた。その笑顔の背景には、長い前日譚がある。王妃は札幌での女子アイスホッケー大会のため来日し、自ら操縦席に座って新千歳空港へ降り立った人物でもあった。王室専用機でありながら、自分の手で空を切り開いて来た姿は、日本でも大きな驚きを呼んだ。一方の雅子さまも、かつては外交官として世界を相手に働き、今は迎える側として人々を包み込む立場にある。両陛下は英語で温かく迎え、王妃はその空気に自然と心を開かれたのだろう。 七年越しの思いが重なった初対面。満面の笑みは、待ち続けた敬意と共感の証だった。