自衛隊に入隊した者にとって、前期教育の三ヶ月間は、一生忘れることのできない時間だ。入隊初日、スーツケースを持って正門をくぐると、私物は全てロッカーへ。スマホは週末まで没収され、教官の第一声は「今日から俺たちが親だ」。その瞬間、自分の新しい生活が始まったことを実感させられる。教育の初期段階で叩き込まれるのは「連帯責任」だ。誰か一人が遅れたら全員腕立て伏せ、挨拶を忘れたら全員腕立て伏せ。理由は明快だ。「戦場では仲間のミスが命取りになるから」。朝5時45分、ラッパの音ともに廊下に飛び出す。怠れば全員が30回の腕立て、訓練中のどんな些細な怠慢も許されない。3ヶ月間の厳しい教育を経て迎えた最終日、全員が泣いた。同じ苦しみを共有した同期との別れが辛く、教官さえ目を赤くしていた。「この国のどこかに、お前たちの仲間がいつも立っている。それが自衛隊だ」という言葉に全員が深くうなずいた。この絆が、彼らを一生支えることだろう。