群馬県の山奥にある四万温泉は、その美しい自然と歴史的な趣で「千と千尋の神隠し」の舞台の一つと言われています。今回、訪れたのはその中でも有名な老舗旅館「積善館」。江戸時代から続くこの旅館は、まるで時間を超えたような雰囲気に包まれ、訪れる人々を魅了します。旅館の入り口に立つと、木造建築の風格が圧倒的です。斜面に沿って建てられた複合施設は、迷路のように続き、地下トンネルやエレベーターで結ばれています。古い本館の廊下を歩くと、木の床板のきしむ音が心地よく、まるで昔にタイムスリップした気分になります。温泉に浸かりながら、外を流れる川の音を聞くのも至福のひとときです。四万温泉の湯は「四万(よんまん)の病に効く」と言われ、江戸時代の人々が健康を求めて集まった場所でもあります。館内は、昔の宿泊客の足跡や、江戸から昭和にかけての貴重な資料が展示され、歴史好きにはたまりません。