市川團十郎にとって、最愛の妻・小林麻央さんを失ってからの八年は、決して短くない歳月だった。胸の奥に残る喪失感は今も消えない。それでも彼は、ふたりの子どもを守るために前を向き続けてきた。長女の堀越麗禾さんは、四代目・市川ぼたんとして女優業と学業を両立しながら、着実に成長している。弟の堀越勸玄さんも八代目・市川新之助として歌舞伎の舞台に立ち、わずか十二歳とは思えぬ存在感を放っている。子どもたちの姿に、團十郎が積み重ねてきた日々の重みがにじむ。そんな中、勸玄さんの何気ない一言が、團十郎の心を強く揺さぶったという。舞台に立つたび、ふと「ママを感じる」と語った息子。その言葉は、麻央さんの深い愛情が今も家族の中に生き続けていることを示していた。