1987年、29歳で北海道から上京した田中義剛は、「オールナイトニッポン」のパーソナリティに抜擢され、一気に注目を浴びた。軽妙な語りと熱い姿勢でバラエティーでも存在感を放ち、芸能界で順調に階段を上っていく。だが本人の心には、別の夢があった。1994年、花畑牧場を開業するも、道のりは想像以上に過酷だった。商品は返品され、借金は4億円、残された従業員はわずか1人。まさに地獄のような日々だったという。それでも現場を離れず、テレビ局の裏方へチーズを配り続け、「食べてほしい」と頭を下げた。その執念が実を結び、有名ラーメン店で採用されたチーズをきっかけに、生キャラメルが大ヒット。2009年には年商120億円に到達した。現在もラクレットチーズは国内トップクラスのシェアを誇り、芸能と実業の両輪で第一線に立ち続けている。