西岡雅彦は50歳で職を失い、元妻と離婚した。彼が向かった先は大学時代に住んでいたボロアパートだった。初日にベランダで煙草を吸っていると、隣の女性が声をかけてきた。「これからよろしくです」との挨拶に、雅彦は少しの高揚感を覚えた。しかし数日後、その女性の真実に言葉を失った。夜、彼女の部屋から物音がした。それは彼女が命を断とうとしていた音だった。慌てて駆けつけた雅彦が彼女を救った。傷だらけの彼女の姿に驚き、彼女の孤独さに涙を流した。彼女は雅彦の煙草の匂いが孤独を紛らわしてくれると話した。その理由を聞き、雅彦は煙草を捨て、「遠くに行こう」と彼女に言った。彼女はうなずき、新たな希望を見出したのだった。