「出ていけ」と父に言われ、家を飛び出して6年。ふと海を眺めながら、当時のことを思い返した。それから新しい人生が始まり、知り合った女性と同棲。そしてその2年後、子供ができたことを知った時、胸の奥が熱くなった。妻の健診には一緒に通い、2人で赤ちゃんの名前を考える時間は何よりも幸せだった。お腹で感じる小さな命の動きに、父親としての責任を誓った。しかし、予定日1ヶ月前、突如医師から告げられた赤ちゃんの危険な状態。緊急帝王切開で娘が生まれたが、酸素供給器が必要だった。医師の説明に絶望を感じつつも、初めて抱いた小さな身体に、ただ感謝の気持ちを伝えた。そして、その「最初で最後」の抱っこが現実になった時、涙は堪えられなかった。娘を送り出す手の中、小さな命が静かに旅立った。家族の絆を胸に抱え、私たちは前に進んでいく。