長崎県の象徴ともいえる軍艦島。世界遺産に登録されたこの神秘的な島へ、クルーズ船で訪れるツアーに参加しました。到着して目にしたのは、かつての繁栄を物語るような高層アパート群と、無人の廃墟。その圧倒的な雰囲気に息を呑みました。明治23年に三菱が買収し、石炭採掘の拠点として栄華を極めた島。最盛期には1平方キロメートルに8,000人以上が住み、東京の9倍もの人口密度を誇りました。病院、学校、映画館、さらにはプールまで揃い、島自体が一つの都市機能を持つほどでした。しかし、石油へのエネルギー転換により炭鉱は衰退。島民は次々と島を去り、1974年に完全に無人となったのです。廃墟となった現在、軍艦島には不気味な噂もあります。夜になると人影を見る、物音が聞こえる、まるで島がかつての賑わいを忘れたくないかのように。ガイドの話を聞きながら訪れる廃墟群は、当時の暮らしや文化を感じさせつつ、“失われた時間”の重みを静かに伝えていました。