「俺ならいけるはずだ」。そんな挑発的な言葉を残したジェイソン・モロニーは、元王者の誇りを胸にリングに立った。しかし、その自信に満ちた彼の挑発が、後に苦い末路へと繋がることを誰が予想しただろうか。那須川天心との対戦は、彼にとっても特別な戦いだった。世界タイトル戦への布石ともなる重要な一戦。両者の視線が交わるたび、緊張が走る。試合は序盤から熱戦を見せた。那須川は鋭い高速ワンツーで牽制を仕掛け、モロニーは力強い反撃を試みる。第6ラウンド、モロニーはダウン寸前まで追い詰められるが、その驚異的な身体能力で立ち上がり反撃の構えを取る。両者の攻防は激しさを増し、変速ボディ攻撃とカウンターが交錯する。しかし追い詰められたモロニーの苛立ちは隠せない。運命の最終第10ラウンド。モロニーの強烈なワンツーで一瞬試合の流れが変わるかと思いきや、那須川は冷静に反撃。最後は激しい打撃戦を制し、判定で元王者から勝利をもぎ取った。この結末は、挑発を口にしたモロニーへの戒めとも捉えられた。ボクシングに甘さは許されない――それを証明した天心の快進撃であった。