「あなた、恵美子さんですよね?」突然現れた21歳の女子大生・のりかは、35歳の恵美子に対して挑発的な笑みを浮かべた。「私は久人さんと付き合っています。彼はあなたより15歳年上ですけど、私と結婚したいと言ってくれています」のりかは、自分が若く、医学部に通う将来有望な女性であることを誇らしげに語った。そして久人が年収3000万円の医者で、将来は父親の医院を継ぐ人物だと信じ、「医者の妻になるの」と恵美子を見下した。しかし、恵美子は冷静だった。「あなた、本当に久人さんのことを理解していますか?」その忠告を、のりかはただの嫉妬だと笑い飛ばした。一ヶ月後、恵美子と久人の離婚は成立。のりかは勝ち誇ったように庭付きの大きな家へ向かい、「今日から次期院長夫人よ」と宣言した。だが、そこで衝撃の事実を知らされる。「どうして私が出て行く必要があるんですか?ここは私の実家ですよ」さらに恵美子は告げた。「医者は私です。そして、この医院の院長は私の父。次の院長になるのも私です」のりかが医者だと思っていた久人は、実は医師ではなかった。開業医の家に出入りしていた過去を利用し、自分を医者のように見せていただけだったのだ。「そんな……嘘でしょう?」すべてを勘違いしたまま、のりかは医学部を自主退学し、将来を捨てていた。