結婚して1年目の美香(29歳)は、夫の健太と暮らしていました。かつては優しく紳士的だった健太ですが、結婚後は態度が一変。「甲殻類アレルギー」という彼女の体質を「単なる好き嫌い」と決め付け、全く取り合おうとしません。それどころか、健太は彼女がアレルギーを理由にカニ料理を避けることを、不満そうに「俺に恥をかかせるな」と叱責。そんな彼の態度に、美香は困り果てる日々を送っていました。そんなある日のこと。お盆の親族の集まりで提供されたカニ料理を前に、美香はひとつの覚悟を決めました。実家の手伝いをしながら、健太専用にある「秘密」を仕込んだ料理を準備することに。山芋アレルギーを持つ健太が、慣れた家庭料理に隠れたアレルゲンに気付くはずもなく、美香の目の前でどんどん食べ進めていきます。案の定、発疹と痒みに苦しむ健太。彼の異変に驚く家族に、美香は冷静に事実を打ち明けました。「結婚前からあなたのアレルギーを知っていました。私も同じように苦しむのに、あなたは何一つ理解を示してくれなかった。」事実を聞いた健太の親族たちは彼を厳しく叱責。「アレルギーへの無知を笑うお前こそ恥だ」と言われ、彼の顔は赤く染まり何も言えなくなりました。その場で離婚を決意した美香は、健太に離婚届を差し出し静かに家を去りました。その後、健太は職場でも「無神経夫」の噂が広がり、かつての威厳は影も形もなくなったそうです。美香はと言えば、彼女を理解し支えてくれる新たな環境の中で、穏やかな日々を取り戻しました。