大竹修一は大手メーカーの工場長として働きながら、家族のために必死で働き続けてきた。妻の美和子とは再婚で、連れ子の彩加を実の娘のように育ててきた。血のつながりはなくとも、本当の父親になろうと決意し、幼い頃から彼女の夢を支え続けてきたのだ。彩加は絵の才能に恵まれ、美大への進学も修一の仕送りによって実現した。しかし入学から半年後、娘の態度は一変する。突然の電話で「月20万くらいで偉ぶるな。足りないからもっと送って」と言い放ったのだ。さらに「ママも言ってた。パパは金だけ出せばいい存在だって」と追い打ちをかける。その言葉に、修一の中で何かが静かに崩れ落ちた。