1970年代に日本中を席巻した沖縄出身の兄弟アイドルグループ「フィンガー5」。その絶大な人気を支えていたのは、メインボーカルを務めていた四男・アキラ氏の少年期特有の圧倒的なハイトーンボイスだった。しかし、その輝かしい栄光の裏には、芸能界の大人たちの歪んだ思惑が潜んでいた。当時、まだ小学生だったアキラ氏に、ついに過酷な運命の悪戯である「変声期(声変わり)」が訪れる。グループの生命線とも言える高い声を失うことを恐れた当時のマネージャーは、彼を病院へと連れて行き、ある恐るべき相談を医師に持ちかけた。「定期的に女性ホルモンを注射すれば、変声期を先延ばしにできる」医師の口から飛び出した衝撃の提案に、子供ながらに恐怖を覚えたアキラ氏は、身の危険を本能的に察知。マネージャーからの「この注射を打てばいい声が出るようになる」という甘い言葉による裏工作の手を、自らの強い意志で「嫌だ!」と拒絶した。