昭和歌謡界を象徴する八代亜紀には、どうしても相容れない“あの歌姫”がいた。 その名は山口百恵。圧倒的な歌唱力と華やかな存在感で、同じ時代を駆け抜けた大スターだ。二人が同じ画面に並ぶ機会は極めて少なく、特に紅白歌合戦の舞台裏では、すれ違っても視線を交わすことはほとんどなかったという。関係者の証言でも、会釈を交わすだけで終わることが多かったそうだ。 力強く温かな八代亜紀の歌声。対する百恵の洗練された魅力。 似ていないからこそ、互いの存在は強く意識され、簡単には交わらなかった。昭和の歌謡史に残る、この緊張感こそが二人の伝説をさらに際立たせている。