平凡、か。そんなこと、誰も気にしたことはなかった。でも彼の言葉には重みがあった。そして続ける。「みんな才能あって結果を残してる。俺だけ、何もないんだ」。俺は彼の肩を掴んだ。「お前が才能っていうなら、俺からしたらその平凡さがむしろチームを支えてるんだよ。それに、お前が辞めるなら俺も辞める」。そう言ってやっと彼の目が揺れる。「え?なんで俺なんかが必要なんだ?」結局、彼は「もう少し頑張ってみるよ」と言ってくれた。その瞬間、チーム全員でベンチに集まることにした。だけど、結局、ベンチ入りしてるのは一川だけなんだよな…。不思議なチームだ。