都会のざわめきが遠ざかり、そこに広がる静かな海。そんな場所にあるのが福岡県の馬島です。わずか28人しか住んでいないこの小さな島は、北九州市から船でたった25分の距離にあります。観光施設はないけれど、その分、人々に穏やかな時間を提供してくれます。下関駅から電車で小倉駅へ。そして、小倉港から船で島へ向かう。当日の船は、まるで宮島へのルートを行くような代役の船が担当してくれました。船内は窓越しに波の動きを感じつつ、あっという間に目的地に到着します。島に足を踏み入れると、猫が歓迎してくれる。島の歴史を物語る大山積神社や、昔ながらの農業が広がる景色。そして、豊かな海からの恵みとしてのわかめ。自然と人間、双方の郷愁を感じながら、私は静かなこの島を後にしました。