彼女が見せていた笑顔は、ただの仮面だったのかもしれない。女優・遠野なぎこ。かつて「すずらん」でお茶の間を魅了し、明るいキャラでバラエティでも人気を博した彼女が、首の骨が折れた遺体で自宅から発見された――。その衝撃のニュースが報じられた日、多くの人が信じられなかっただろう。でも、彼女のSNSを遡れば、心の叫びがいくつもあった。幼少期の凄惨な虐待、摂食障害との闘い、繰り返される結婚と破局、そして孤独。「私は不幸だと思ったことはない」と言いながら、ラストメッセージにはどこか諦めが滲んでいた。愛猫・憂君も彼女の最期を見届けたと言われている。これは、彼女一人の話ではない。社会が見過ごしてきた“叫び”にどう向き合うか、今こそ問われている。