「発達障害なのか、それとも知的障害なのか分からない」——そんな相談が今、増えている。発達支援の専門家・谷口先生によれば、両者は似て見えても本質は大きく異なる。日本では別概念として扱われる一方、国際基準では知的障害が発達障害の一部に含まれる場合もあり、この定義の違いが混乱の原因となっている。知的障害は、認知・言語・社会性・日常生活スキル・学習能力など“全般的な発達の遅れ”が特徴で、IQ70〜75以下が一つの目安とされる。ただし診断は数値だけでなく、生活の自立度も含めて総合的に判断される。分類は4段階に分かれる。軽度では日常生活は可能だが抽象理解が難しく、中度では基本的生活に支援が必要となる。重度では言語や生活動作に介助が必要となり、最重度では意思表示や身体面での全面的支援が求められる。一方で発達障害は“特性の偏り”が中心であり、知的障害とは異なる軸で理解する必要がある。ただし両者が併存するケースも少なくない。支援の方向性も異なる。発達障害は環境調整が鍵となり、知的障害では生活スキルを段階的に積み上げる継続支援が重要となる。