「うちの子は落ち着きがないだけなのか、それとも特性なのか」——今、そうした不安を抱える保護者が増えている。発達支援の専門家・谷口医師によれば、ADHDとASDは似ているようで、脳の働きそのものが大きく異なるという。ADHDは前頭葉の制御機能の弱さによって注意や衝動のコントロールが難しくなる。一方ASDは扁桃体の働きの偏りにより、不安や感覚過敏、こだわりの強さが前面に出やすい。まず1つ目は注意の向き方。ADHDは外部刺激にすぐ反応し集中が続かないが、ASDは興味対象に過集中し、それ以外が見えにくい。2つ目は行動特性。ADHDは衝動性による多動、ASDは安心を求める強いルーティンへの固執が特徴となる。3つ目は感情制御。ADHDは感情が先に動きやすく、ASDは不安やこだわりから爆発的な反応が出ることがある。4つ目は対人関係。ADHDは関係性は築けるがトラブルが起きやすく、ASDはそもそも他者への関心が薄く孤立しやすい。5つ目は言語特性。ADHDは会話の遮りや脱線が多く、ASDは一方的・抽象理解の難しさが目立つ。重要なのは「診断名」ではなく「個々の困りごと」への対応だと医師は強調する。ADHDには短く明確な指示と変化のある刺激、ASDには予測可能で一定の手順が有効とされる。